以前、カミュの「異邦人」を読んだ。
その中のある一節が好きだ。

「『人は、どんな事にも慣れてしまうものだ』とよくママンが言っていた。」

こんな感じだったろうか。今、このフレーズを確認しようと思って本を開いたが見つからなかった。少しくらい違うところがあるかもしれない。とにかく、この部分が好きだ。

これを読んだとき、実に共感した。私の持論と一致していたからである。
人は悪い境遇でしばらくの間過ごさなければならなくなった時、最初の内はそれをいやがり、自分がそこにいることに嫌悪し、適応することを拒む。しかし、少しの時間が経つと、その悪い環境の中での喜びを探すようになる。そして、その喜びを求めるようになる。だがもし、その「喜び」の対象であることを以前のその人が体験したとしたら。きっと、境遇が変化する前後で、体験へのその人のリアクションはとても違っているはずであるのだ。これは、以前では考えられないような幸福に人が慣れてしまう場合にも、同じことが言えるのではないだろうか。

ところで、意見が一致したことは、この本が著名な作家であるカミュ氏に書かれたものであったことからも、私の中での自信にもなってくれるだろう。


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